受賞者について

第29回地球環境大賞 受賞者

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地球環境大賞

あいおいニッセイ同和損害保険株式会社エーオンベンフィールドジャパン株式会社国立大学法人横浜国立大学

世界初 リアルタイム被害予測ウェブサイト「シーマップ」を開設

経済産業大臣賞

セイコーエプソン株式会社

最小限の環境負荷を実現する「インクジェットイノベーション」を推進

環境大臣賞

積水化学工業株式会社

自然災害時の被害を抑制し「在宅避難」ができる家

文部科学大臣賞

国立大学法人岐阜大学

産学官連携で水素エネルギーを中心とした次世代インフラの構築へ

国土交通大臣賞

森ビル株式会社

子供たちと創る未来の環境都市 「ヒルズ街育プロジェクト」の展開

農林水産大臣賞

株式会社アキュラホーム

間伐材を活用した「木のストロー」の普及活動

日本経済団体連合会会長賞

昭和電工株式会社

使用済プラスチックのケミカルリサイクルによる
低炭素な化学品原料化・資源循環事業

フジサンケイグループ賞

三菱電機株式会社

宇宙からの観測技術で地球環境保全活動へ貢献

奨励賞

大王製紙株式会社

プラスチック代替素材の高密度厚紙「エリプラペーパー」を開発

奨励賞

リファインバース株式会社

日本初、使用済み廃棄漁網を中心としたナイロンリサイクル事業

第29回地球環境大賞 受賞内容

大賞あいおいニッセイ同和損害保険・エーオンベンフィールドジャパン・横浜国立大学

世界初 リアルタイム被害予測ウェブサイト「シーマップ」を開設

台風や豪雨、地震など災害発生時の迅速な救助・支援活動を円滑にするため、被災した建物の棟数や被災率をリアルタイムで予測するサイト「cmap. dev(シーマップ)」を横浜国立大学、エーオンベンフィールドジャパンと共同開発し、2019年6月から公開した。

パソコン、スマートフォンなどあらゆるデバイスから24時間365日閲覧が可能なリアルタイム被害予測を世界で初めて無償で公開、台風・豪雨は1時間ごとに更新して5日間表示、地震は発生10分後、3日間表示する。気候変動を起因とする自然災害の大規模化・激甚化に対応する産学共同取り組みとして注目される。ハザードマップやシミュレーションとは異なり、現在発生中の自然災害の予測結果を地図上に表示するため、現在の被災地域の状況とその後の予測から、住民による避難や自衛隊などによる救援の情報として活用できる。シーマップには、風速の可視化や天気・気温といった気象情報や過去の台風・地震のシミュレーションを表示させる機能もあり、これを活用して防災・減災への備えにも役立てることができる。

経済産業大臣賞セイコーエプソン

最小限の環境負荷を実現する「インクジェットイノベーション」を推進

熱を使わずインクを吐出する独自のマイクロピエゾ技術を基盤に、最小限の環境負荷で社会に必要な機能を提供するインクジェットイノベーションを推進。具体的な成果として、「高速ラインインクジェット複合機LX-10000F/7000Fシリーズ」は印刷1枚あたりの消費電力量が従来のレーザー複合機の約8分の1と大幅な省エネを実現した。2018年度のビジネスインクジェットプリンターにおける環境負荷削減貢献量を二酸化炭素換算で8909㌧-CO2eと算出。2019年にはオープンイノベーション戦略などを通じ、自社インクジェット技術を活用した市場拡大にも取り組むなど、技術で世界を変革し、よりよい社会の構築を牽引している。

環境大臣賞積水化学工業

自然災害時の被害を抑制し「在宅避難」ができる家

「エネルギー(電気)の自給自足」をコンセプトに、家庭用蓄電池などの先進機器を搭載した住宅を販売。平常時は省・創・蓄エネ性能を向上させた住宅でCO2を削減し、自然災害時にはライフライン途絶時の生活を維持するレジリエンス機能をもつ「在宅避難(自助・共助)」が可能な住宅を実現している。太陽光20万1,739棟、蓄電池2万4,771棟の導入実績を背景に、2018年以降で2,337件のレジリエンス性能(停電時蓄電池稼働)を実証した。頻発する台風被害等を背景にスマートハイムのレジリエンス機能(電力、水道、移動など)を強化、住生活からの地球温暖化防止を先導していく。

文部科学大臣賞岐阜大学

産学官連携で水素エネルギーを中心とした次世代インフラの構築へ

「環境ユニバーシティ」宣言のもと、2016年に岐阜県や民間企業3社と「水素社会の実現に向けた産学官連携協定」を締結、これを受け18年には「地方創生エネルギーシステム研究センター」を設立し、産官学連携による「中山間地域での地産地消型地域エネルギーシステム」(地方創生ぎふモデル)の社会実験を推進している。同センターでは再生可能エネルギー量の予測から地域での消費エネルギー予測を行い、AI(人工知能)などを活用して水素技術などとの組み合わせによる最適エネルギーマネジメントシステムの構築を目指す。

国土交通大臣賞森ビル

子どもたちと創る未来の環境都市 「ヒルズ街育プロジェクト」の展開

街づくりを通じた都市緑化の推進に努め、創出した緑地を活用したコミュニティーの形成や教育活動にも積極的に取り組んでいる。2007年に始まる「ヒルズ街育プロジェクト」は、六本木ヒルズなど実際の街を舞台に子どもたちに地球環境問題などの「体験学習プログラム」として、環境に優しい豊かな未来都市を創るプロジェクトで、「環境・緑」「安全・安心」「文化・芸術」をテーマに2018年度までの12年間で409回、延べ1万3,000名以上の親子を受入れている。とくに「環境・緑」のプログラムは200回以上開催し、双方向のコミュニケーションや見学、ワークショップを通じ、自ら手を動かして体験する「体験学習」の場を提供している。

農林水産大臣賞アキュラホーム

間伐材を活用した「木のストロー」の普及活動

木を活かす・守る活動の一環として、木のストローの開発に着手し、世界で初めて木材を薄くスライスし、斜めに巻く工法で量産化に成功した。間伐材を使えば森林保全による土砂災害対策につながり、現在主材料は西日本豪雨で被災地となった森林の間伐材を含む国産材を使用している。プラスチックストローの代替素材として、廃プラスチック問題への貢献も可能。ストローの製造装置が完成すれば、装置そのものを世界中に提供し、各国が自国の間伐材を地産地消できるように働きかけていく考え。木のストローは今後、ホテルや飲食店、航空機内サービスなどへ拡大していく予定だ。

日本経済団体連合会会長賞昭和電工

使用済プラスチックのケミカルリサイクルによる低炭素な化学品原料化・資源循環事業

使用済みプラスチックを原料にして水素を製造する同社の「川崎プラスチックリサイクル(KPR)」は、プラスチックを燃焼させず熱分解させることで水素と一酸化炭素を主体とする合成ガスを生成する世界唯一のプラント。合成ガスから捕集した水素を火力発電所の脱硝材(NOxの除去剤)となるアンモニア用に、CO2をドライアイスや液化炭酸ガスの原料などとして利用している。燃焼工程がないことでCO2放出削減、合成ガスは原料にリサイクルされるため、環境負荷を低減できる資源循環事業といえる。水素の段階で水素ステーションや水素燃料電池を活用するホテルなどへ供給。低炭素水素社会の実現へ向けた活動も行っている。

フジサンケイグループ賞三菱電機

宇宙からの観測技術で地球環境保全活動へ貢献

最先端技術の人工衛星「いぶきシリーズ」を設計・製造し、世界で初めて宇宙からの温室効果ガス濃度の観測技術の確立に貢献。2018年に打ち上げられた「いぶき2号」は、雲がある領域を自動的に避けて観測する「インテリジェントポインティング機能」を搭載し、測定精度は「いぶき」に比べて8倍に向上した。いぶきによる長期間観測の結果、1年間に排出・吸収される温室効果ガスの量を各国が取りまとめたデータである温室効果ガスインベントリといぶきの観測データが、国レベルでも全地球レベルでも良く一致し、衛星観測によりインベントリを透明性高く比較評価できる実現性を世界で初めて示すなどの成果をあげた。

奨励賞大王製紙

プラスチック代替素材の高密度厚紙「エリプラペーパー」を開発

長年培ってきた特殊板紙の製造技術を活用し、プラスチックの剛性と生分解性を併せ持つ高密度厚紙「エリプラペーパー」を開発、プラスチック素材から紙素材への転換を進めている。土壌埋設による生分解性について確認した結果、6カ月目には回収不能なほど分解が進み、最終的に二酸化炭素と水に分解される。同社の試算では、ペーパーの代替需要は汎用プラスチックカトラリー(ナイフ・フォーク・スプーン)が国外で年間約72万㌧、国内では年間約2万㌧、プラスチックハンガーが年間約2万4,000㌧。期待されるCO2削減量は国内汎用プラスチックカトラリーで年間2万2,980㌧、プラスチックハンガーで年間2万7,576㌧。

奨励賞リファインバース

日本初、使用済み廃棄漁網を中心としたナイロンリサイクル事業

日本で初めて使用済み廃棄漁網を中心としたナイロンリサイクル事業を立ち上げ、海洋漂着ごみ(プラスチック)の約4割を占める廃棄漁網)問題を解決する糸口にしたい考え。具体的には廃棄漁網から付着物等を洗浄除去した後、乾燥・切断加工を経て、粗原料化(再生ペレット=再生ナイロン樹脂の生産原料)する技術を開発した。大きな課題となった異物除去は、繊維加工技術を応用することで、量産化プロセス確立に成功した。年間の廃棄漁網の回収予定量は200㌧だが、今後は年間1,000㌧の再生利用を目指す。